上場準備(IPO)時のよくある会計処理修正「退職給付会計」

上場準備会社における退職給付会計の適用が、本来、原則法適用会社であるのに簡便法になっているというミスがよくあるというほどではないですが、上場支援作業において散見されます。簡便法というより、そもそもちゃんと退職給付引当金が計上されていない会社も散見されます。税務上は、基本的に引当金の計上は認められないため、税務と会計を一致させることが税理士の作業量を減らすという観点からもあまり引当金を計上していない会社が多いように思われます。

そもそも退職給付会計って、ちょっとハードルが高く、とっきにくいし、何となく難しい感じですよね。正直、色々なパターンがあるので、会計士や税理士でも実は良く分からないという人もいると思います。でも、比較的多額になりやすい項目ですので、きちんとした対応が必要になります。

原則として、簡便法による計算が認められる小規模企業等とは、300人未満の従業員数の会社をいいます。例えば、基準では、退職一時金制度の場合には、以下のような方法が認められています。

  • 平成24年改正会計基準(又は退職給付に係る会計基準(平成10年会計基準))の適用初年度の期首において原則法による退職給付債務を計算し、この退職給付債務の額と自己都合要支給額との比である比較指数を、期末時点の自己都合要支給額に乗じた金額を退職給付債務とする方法
    なお、合理性があると判断することができれば、比較指数に原則法により計算された親会社の比較指数を用いることができます。
  • 期末自己都合要支給額に、平均残存勤務期間に対応する割引率、昇給率の各係数を乗じた金額を退職給付債務とする方法
  • 期末自己都合要支給額の金額を退職給付債務とする方法

300人以上の従業員がいる会社の場合、原則法で処理・記帳する必要があります。もしくは上場までに300人を超える従業員になることが見込まれるような場合にも、予め、原則法で処理・記帳する方が安全かと思われます。簡便法が適用されるケースにおいては、圧倒的に期末時点自己都合要支給額を引当金として計上している場合が多いです。なにがなんだかよくわからないですよね。簡単に説明をすると、会社の要請で退職をするのではなく、自分の都合で退職をする場合に支払われる金額が、会社内のルールで決まっており、3月決算の会社であれば、3月末時点で従業員の皆さん全員が自分の都合で辞めた場合に、会社が従業員みんなに支払わなければ行けない金額の合計額を退職に備える引当金として計上するという方法になります。ほとんどの会社が会社の都合で辞めさせる場合には100%支払うが、自分で勝手にやめる場合には、60%くらいしか支払わない会社が多いような気がします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です