現預金の監査手続きのつづきです。

増減分析の難易度が実はそれなりに高いです。あらゆる科目の増減要因になりうる科目なので、複合的な要因で増減しているためです。よく、現預金の増減理由はキャッシュ・フロー計算書を見ればよいといいますが、その通りだと思います。

現預金の監査調書を作成するうえでは、営業活動における増減は、在庫、売上債権、仕入債務などの貸借対照表項目の増減に着目して、簡易で間接法によるキャッシュ・フロー計算書を作り、増減理由とするというのが一般的になっていると思われます。主に営業活動以外で大きなキャッシュ・フローが発生する要因として、税金の支払いや還付、賞与の支払い、大きな借入、返済、配当の支払い等に着眼する方法も一時的なキャッシュ・フロー発生の主な要因を特定する方法となります。

したがって、ストックである貸借対照表項目の増減とフローである実際のお金の増減要因の両方にうまく着目してみるといい感じの調書が作成できると思います。

ちなみに、キャッシュ・フロー計算書は、期首の現金及び現金同等物残高をスタートに期末の現金及び現金同等物残高で終わる財務諸表なので、基本的に内訳の入り繰りのエラーしかおきません。唯一スタートやエンドの残高が動く可能性があるのが、定期預金の預入期間のエラーに起因するミスです。預入期間が3か月超なのに現金及び現金同等物として定期預金を扱っていた場合等はスタートやエンドの残高を誤ることになります。定期預金の残高は大きいことが多いので、金額的には非常に大きなエラーとなってしまう可能性を秘めています。質的な重要性は、基本的にはほとんどないように個人的には思いますが、このことからも現預金の調書で定期預金の預入期間をしっかり残すことはとても重要ですよね。

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