上場準備(IPO)時のよくある会計処理修正「固定資産の減損会計・在庫の収益性の低下」

上場支援作業において、注意するべき固定資産の減損会計の未適用についてですが、上場準備会社で固定資産の減損会計が適用されていない会社というのは、非常によくあります。簡単に説明しますと、その固定資産を使っても将来利益を上げることができないのであるから、その資産には、資産価値はなくなっており、儲けがある部分を下回る価値部分については、損失として処理してしまいましょうというのが減損会計です。

固定資産が対象となるため、損失を計上する場合の金額的な負担が非常に大きいことになります。減損会計については、細かく説明をするときりがないですが、いくつか減損が発生しやすいポイントがあります。例えば、遊休となっている固定資産については、その資産のみで減損の判定を行うため、大きな製造用の機械設備等が遊休状態となった場合には、注意が必要となります。

また、比較的バブルが発生している時期に購入した土地や建物について、不況時等に時価が下落し、ついで本業が赤字化しているというような場合に注意が必要となります。減損会計の適用は、経営者様の観点からするとどうにも納得がいかないというところみたいで、監査法人と経営者様が揉めてしまうことが発生する鬼門となる部分でもあるように思われます。

上場支援作業において、注意するべき上場準備会社における棚卸資産の評価の基準の未適用についてですが、棚卸資産の評価の基準での評価について簡単にご説明します。簡単に言うと、ある在庫が、長期間滞留したとか、陳腐化が発生したとか、物理的に棄損したとかの何らかの理由によって、その在庫を取得した時の値段よりも低い値段でしか、外部に販売することができないことが明らかな場合に、その販売損失部分については、在庫の価値を下げてしまいましょうという評価をすることが、基準の評価になります。

なお、この評価損については、火事等の天災等による場合を除き、特別損失や営業外費用として処理することが認められておりません。特に、製造業の会社様においては、腐るものではないということで、長期間滞留している在庫が多くあるような会社があり、このような会社で、棚卸資産の評価の基準を適用すると巨額の費用負担が生じてしまうということがあります。

在庫は、保管コストを発生させるので、コスト管理の観点からも捨てるものは早めに処分した方が良いことも多々あります。在庫の評価の基準については、管理会計の観点からも良質な財務会計の基準ではないかなと私は思います。