新規株式公開について

2015年3月31日に、日本取引所グループより「最近の新規公開を巡る問題と対応について」という記事が公表されました。最近の新規公開会社において、経営者による不適切な取引が散見されるので、監査法人も証券会社ももうちょっとしっかり見てねというような内容でした。確かに、最近は、株価の上昇に伴う新規公開や上場市場の指定替え等が盛んになっており、取引所、証券会社、監査法人全体で、以前に比べると比較的容易に上場できるようになっているような感じが個人的な感覚としてあります。しかし、、、難しい問題ですね。金融緩和の影響で、プチバブル??が起きて株価が高くなっていることも大きな要因となって、新規株式公開が盛んになっているようにも思われますが、上場がゴールとなっているケースもあるような。。。

株式を上場すると、借入によることなく新株発行により株主より資金調達をできるというメリットがあります。また、上場会社となることにより、対外的な信用が補完されて、営業を行ううえで有利に働くというメリットもあります。それ以外にも、借入を行っていた場合に、通常、オーナー企業であれば、借入時にオーナー個人所有の不動産に抵当権という担保を設定されることが一般的ですが、上場時には担保を取ります。これにより、オーナーの個人資産が会社と完全に分離され、仮に会社が傾いたとしても、オーナーの個人財産は保全されることになります。配当金についても、徴収される源泉税が上場会社の配当金については、それ以外の会社の税率に比べ安くなっています。オーナー社長はこの点でも上場メリットを享受することができます。至れり尽くせりです。リスクを取ったのですからこのくらいのメリットはあってしかるべきと思いますし、経営者の安定は会社の安定にもつながると思います。

では、上場することによるデメリットってなにがあるんでしょうか。必ずしもデメリットではないですが、オーナー引き受け以外で株式発行による資金調達をすると、オーナーの持株比率が低下し、場合によっては会社に対する影響力が低下します。上場をするためには、証券会社や監査法人に報酬を支払って上場するため、コストがかかります。監査法人の監査は継続的に受ける必要があるため、上場を維持するうえでは必須のコストになります。上場時には色々な資料を作成し、証券会社や取引所に提出する必要があるため、自分の会社の従業員だけでは作成できない場合は、これらの資料作成や証券会社や取引所からの質問書への回答書の作成を手伝ってくれる第3者に外注で作業をお願いする必要もあります。

ちなみに、以前は上場時の監査法人はほぼ大手の法人に独占されており、監査法人として新規上場にかかわりたい場合には、大手監査法人に在籍するのがほぼ必須となっておりました。最近は、中規模監査法人での新規上場事例も増加しています。
個人的には、証券会社や取引所への提出資料作りや質問書回答作成、監査法人の監査に耐えられる経理体制の構築等は、IPOコンサルティング業者に依頼した方が効率的かつ効果的と考えています。というのも、一時的に凄い作業量が発生するため、社内リソースだけでこれを行おうと思うと担当者に相当な負荷がかかること、このような特殊な作業に慣れた人員が行う方が効率的であること、追加で人員を雇用すると上場作業終了後に余剰人員が生じる可能性があること等が理由として挙げられます。

ところで、監査法人の報酬ってめっちゃ高いんです。新規上場時に限らず、経理体制がぜい弱で、監査法人の作業時間が増えると監査法人への報酬が増加することになります。監査法人も、今、人員不足なため、結構報酬面で強気に出れる状態です。そのため、監査法人には、なるべく良質な資料を提供し、早めに監査を終えてもらうというのが、コストを削減するうえで非常に重要になります。

そのときに、監査法人出身のコンサルティング業者を入れると、監査法人ほど時間単価はかからず、継続的に利用できる良質な資料や仕組みを作成することができるんですよ!単価の高い監査法人の若手に、時間をかけて監査をされるよりだいぶお得な感じがしませんか?!
ちょっと発言が過激になりましたが、おそらく監査法人も人が足りてないので、経理体制のぜい弱な会社にコンサルが入って、強固な経理体制を構築することには、積極的な賛同が得られると思います。

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